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詩人:右色
朝
ハンバーガーを食べたのは
主義や思想に関係なく
主に時間と経費の問題で
昼
何も食べずに
ハードカバーの本を読み耽り
孤独を友とする姿は
なんとなく自虐的で言い訳じみているが
それが趣味だと言い張るだけの自己愛は持ち合わせていた
夕方
ペペロンチーノを食べ損ねたのは
イタリアの文化とか歴史は微塵も関係なくて
需要と供給という
まことに合理的な経済活動のせいで
夜
得体の知れない料理を食べるはめになったのは
謝る言葉が出てくる前に
出て行ってしまった君のせいで
この空腹と倦怠感は全て君のせいで
そして
考えるまでもなく僕のせいだ
ごめんなさい
帰ってきて下さい
お腹が寂しいです