詩人:緋文字
今夜飲む
いつものやつ
うんと
甘くしたらいいよ
昔は
指つっ込んで舐めて
叱られたじゃない
叱ってくれる人
いなくなったのに
あまいの
苦手になったのね
おとなに
なったのね
喉に
いつまでも残る
刺さったような
あまったらしさ
なつかしいって
感じるくらい
今夜くらい、
うんっと甘くして
ここへ
持っておいで
あったかい甘さ
なんだかほっこり
するじゃない
私は
いつまでも
眠くならないから
君が
眠るまでの間
起きておくくらい
いつものことよ
今夜は
とくに冷えるよねぇ
そばに
寄れるだけ
寄っておこうか
君が眠るのを
見届けたら
私も
眠れるのかも
しれないから