詩人:どるとる
今日も楽しかった
でも本当は悲しかった
本音に嘘を被せるのは単なる気まぐれとか気の迷いじゃないんだ
そうさ そのはずさ
いつも見てるから
見飽きてるはずの
夕暮れがなぜだか思いのほか胸にくる時は
楽しい記憶よりずっと印象深く刻まれてしまった悲しみ持ち帰った日でしょう
なるべく優しくいたいのに優しくなれない日々の中
どうしたら愛想笑いやお世辞を振りまかずにいれる?
この笑顔が悲しい涙に変わるとまるで谷底に落ちてゆくような絶望感に支配されてしまう
目にうつる全ての景色がにじんでぼやけてしまうから
どんなに楽しいことがあってもその悲しみひとつでもう台無しになってしまうから
ぼくは何も言えない
言葉のかわりにただ涙が絶えずあふれるだけ
明日も楽しいかな
明日は笑えるかな
くり返す日々はいつまでぼくに優しくしてくれるかな
様々に増減するぼくの中の何かと誰かが決めたらしいルールにさえ左右される
届いた1日が悲しいだけの1日なら
ぼくは瞬時に死を選ぶだろう
でも悲しいことだけじゃないと知ってるからなんとか今日も生き延びているだけ
涙に暮れる日々は雨がやむようにまた晴れ渡る空の下でぼくは笑う
気まぐれな天気のようにぼくは楽しいときは楽しいなりに笑い
悲しいときは悲しいなりに大いに泣いて
でもごまかしきれない時にはそのルールを破ってまで気持ち偽るのです
できれば最初も最後も笑って過ごせる1日がいいのに
悲しみは隙あらば
ぼくから笑顔を奪おうとするんだ
またほら
この心が悲しい色に染まるとまるで宇宙に置き去りにされたような疎外感に侵されてしまう
耳に入る全ての音が雑音に聞こえてしまう
どんなに笑おうとしても悲しみひとつでもう台無しになってしまうから
ぼくは何も言えない
言葉のかわりにただ涙が絶えずあふれるだけ
涙で心にこびりついた汚れを洗うように。