詩人:千波 一也
濡れそぼつ紫陽花を傘の中から覗いたわたしやがて雨が上がれば水滴さえも花にして紫陽花は凛と咲くのだろう濡れることを厭うわたしは濡れる役目を傘に負わせて柄を握る手に力を込めるわたしは何を守るのだろうわたしは何を守れるのだろう例えばもうじき注ぐであろう陽射しの中で望みのはずの陽射しの中で