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[155517] 雨の夜 晴れた朝

詩人:どるとる


心の中にどしゃ降りの雨が降っている
そして降り止まないその雨に僕は濡れていてもう抵抗するのもかったるいから雨が顔にかかってもなんとも思わない
いつもいつでも何してても悲しみがあればそこには涙がある

小さなことさえ雨が降るきっかけになる
とても弱い僕はすぐ何かあるときまって泣いてしまうんだ

雨に濡れ 今日も帰る
電車に揺られ 雨粒でよく見えない窓からの景色を見ている
時々誰かが軽いせき払いをする

雨に濡れている僕の心の置き場を知っているのなら
今すぐ おしえてもらいたいもんだね
少しずつ少しずつ
終点に近づくにつれ
乗客が減ってゆく
席があいたけど座らないのは僕の小さな見栄なんだろう
やがて電車は終点へ着く

改札に立つ 無表情の駅員に切符を渡して
家に向かい歩く
疲れた顔の僕が何気なく見た硝子窓にうつる

説明するまでもないようなあたりまえな夜にたたずむ
僕は夢も見れずに
いつまでもいつまでも起きていた
このまま今日に置き去りにされてしまいそうだな
でもそれはそれでなんか良さそうだな
そんなくだらない思考も意味はないね
それでも暇つぶしはほかに見あたらなかった

そんな雨の夜は
夜明けが眩しくてたまらない
カーテンを開ければ
昨日の雨が嘘みたいに晴れていた
そうだったらいいのにね
引き続く 雨は明日も僕の心に降る

青空などなんの意味もない
僕の心の雨をやませるものは目には見えない喜び
ただまぶしいだけの陽射しをよけて屋根に隠れる僕に届く平凡

現実と夢の境で
無意識と意識の間で
僕はひとり雨に今日も濡れている
それを誰も知らない
だけれど死ぬまで続くよ 雨の夜 晴れた朝

イメージを覆す
ものの見事な裏切りのマジック
今日も僕を濡らす
的外れな天気予報

降るのは雨だけじゃない
悲しみだって降るんだ

心に。

2010/04/27 (Tue)
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