詩人:どるとる
現実の冷たい風にあおられ すっかり立ち上がるのもなんだかばかばかしくなった
二十歳のラインに立つ僕がいる
夢を見ていた
まぶしいくらい
希望と期待に満ちた
未来に
それでも いざ
たどり着いてみれば
うまくいかないことばかり やる気すらない
神様がどうしてこんなにやる気のない
僕を生み出したのかとさえ疑問に思う
でも神様が僕を生み出したわけじゃないことくらいはわかる
ただたとえ話するなら そういうんだろうってだけ
もう夢なんか見るものか
もう希望なんか抱かない
もう期待もされなくていい
重たい荷物はなるべく持ちたくはないから
ねえ 楽しちゃだめですか? 暮れなずむ空の彼方に問いかけた
返事はもちろん永遠に返ってはこないけど
やがて夜にのみこまれた街は夜という魔物の胃液で溶けたように僕の意識は夜が深くなるにつれてとろけてゆく
ああこれから僕はどうしたらいいのか
何かを見直せばいいのか
間違いだらけの現実で間違いさがししても目に見えてわかるよ
間違いが多すぎてきっと間違いは日々増えるからきりがないね
続いてゆく
続いてゆく
これから
いつか終わる
これから
問われる
それから
蒸し返される
あれから
僕はしかるべき運命のつかさどるままに生まれたようにやがて土に還る
降伏の白旗
あげたら
楽に終われる
そんな運命なら
良かったのに
悲しいほどに
無情なまでに続くよ
これからの日々
明日への招待状は
返事を待たず
夢から覚めた僕を
明日へ いざなう
そして何遍でも現実の冷たい風にあおられ
すっかり立ち上がるのもばかばかしくして
そんな卑屈をこぼす今日が何度だって現実なる ちょっとしたフルーツみたいに
添えられて
添えられて。