詩人:清彦
あなたは誰の為のあなたですか?
日本社会のあなたですか?
家族のあなたですか?
職場のあなたですか?
愛する人のあなたですか?
あなたはきっと、
そのどれもを欲しがるでしょう
そのどれもが少しずつあなたであると
あなたの形を成す、いわば集まりだと
そう思うでしょう
あなたの人生が
そのどれかだけでは無いように
そのどれもであるのと同じように
あなたは疑いようもなく
すべてがあなただと思うでしょう
でも、そうすると
それぞれのあなたは
いったいなんなのでしょう?
それぞれはあなたの片鱗であり欠片であり
あなたを成し得てはいなく
また、そのあなた足り得ない
その、帰属する別の意思の元にうごめく
そのそれぞれの何かが
集合してあなたの形をしたとしても
それは果たして本当に
あなたであるのでしょうか?
10年前のあなたと
いまのあなた
それは本当にすべてがあなたですか?
昨日までのあなた
それは、単なる記憶ではないのですか?
あなたが、
あなたとしての
あなたのための
意思を持って生きられるように