詩人:アル
《鈴さん》
主任…
鈴さんて…?
山崎 鈴。
別れたヨメさん。
聞いていいのかな…
なに?
なんで別れたんですか?
…なんでかな。
俺との心理戦の毎日に
疲れたんじゃないかな
ユキちゃん、前に
俺といるとホッとする
って言ってくれたけど、
彼女はそうじゃなかった
んだろう。
主任は?
ホッと出来なかった?
俺はユキちゃんといると
素に戻れる。
ユキちゃんは水みたいだ
静かな湖面のように
澄んでいるかと思うと
激流のようなパワーで
突っ走る。
低いところに流れて
驕らないし、
どんな入れ物にも
形を合わせられる。
俺は…水がなければ、
生きていけない。
…俺はユキちゃんが
好きだ。
主任…。
あ、俺
だいぶ酔ってるな
(苦笑)
くちびる
切れてますよ。
大丈夫、
アルコールで
消毒したから(笑)
痛くないですか?
いや、キスくらいなら
出来る…
主任!
してくれたら
直ぐに治んのに
ケチ。
ばっか