詩人:良い席
見通し悪く、天候最悪
絶好の海路なり
今進まずしていつ進む
船員くたばって誰が船を漕ぐ
俺が漕ぐ
鴎も漕ぐ
錨はぐるぐる回ってモーターとなる
風速10メートルの向かい風きたる
この風に乗らずしてどうするものか
帆を揚げろ
荒唐無稽船は大破寸前なり
杜撰な計画から糧食は既に底をついた
この航海に失敗はない
あるのは栄光の成功だけだ
君がどんな後ろ向きな事を言ってもこの船は必ず沈む
だから早く観測を続けろ
どうだ、鯨や海豚が飛び跳ねるだろう
見終わったらはやく俺に換われ
君がこの装飾の舵をとりたまえ
俺がヨーソローと言ったら君もヨーソローと言いたまえ
それで船はちゃんと流され行くのだ
見ろあそこに島がある
だがこの船は明後日の方向に進んで行くぞ
ははははは、ぶっ壊れているから仕方が無いのだ
君もとうとうくたばったか
これで私一人だ
これで隠しておいた煙草が吸える
彼は嫌煙だったからなあ
海は青いな大きいなあ