詩人:どるとる
短期ドラマのように
息をのむ暇もなくあっというまに終わる時計仕掛けのストーリー
触れたらふわっと空気をつかむように気づいたときにはもうそこにはない幻
たとえばあの空のようにどこまでも変わらない毎日が平然と続くなら
生きる意味なんてそこにはあるのかな
何もかも 捨て去って
何もかも あきらめて
輝くものの横を素通りしてきた僕には何かを望んだり願ったりする資格さえなく
羨み夢思うことさえできない
これは終わりある
限られたストーリー
砂時計は落ちる
生きる数だけ
1秒ごとに砂の粒は闇へと消えてゆく
最終回へたどり着くための時間なのです
ただそれまでのつかの間の喜びや恍惚にひたるのは僕らの勝手な行い
ルールなんて
人が決めたもので
神様がつくったものではないから
世の中に逆らえば
罰が下るけど
それをおそれないならルールなんてあるようでない 不条理と不調和の混然する世界
海を渡り
まとわりつく風を振り払い
今日もどこに向かうのか
ばかばかしいとは思いながら生真面目にルールを守り
傷つかないように愛想笑いなど浮かべる僕は
信号が赤になれば
本能に従い止まり
信号が青に変われば
同じように進む
そんな僕でも時には思うのだ
縛られていることへのうっとうしさに苛立ちをおぼえるのだ
当然のことながら
これは終わりある
限られたストーリー
砂時計は落ちる
生きる数だけ
1秒ごとに砂の粒は闇へと消えてゆく
最終回へたどり着くための時間なのです
ただそれまでのつかの間の喜びや恍惚にひたるのは僕らの勝手な行い
これは決まりある
摂理の中で続く
ストーリー
ある人はルールを生真面目に守り
ある人はたえられずルールをやぶり立ち入り禁止の柵をこえてゆく
ただそれだけの違い
今日も砂時計は僕の時間を削る 運命の針が進むたび僕は闇に溶けてゆく
そしてやがて最終回へ。