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詩人:甘味亭 真朱麻呂
立ち止まったまま
動かない影
僕が片足を上げれば
影も同じ様に真似する
当たり前だけどふしぎなものだね
今
君とこうして
コーヒーを飲みながら
話すことだって
ふしぎなことさ
当たり前じゃんって君は言うけど
当たり前なことって誰が決めたの?って言うと
誰もが押し黙る
当たり前が時々
すごくジャマになって
当たり前が時々
すごく嫌いになる
確かに当たり前は当たり前でしかないけれど
それだけで片付けられない悲しい現実があることを忘れないで
軽々と当たり前を当たり前で片付けてほしくない
だから
僕は
当たり前に悲しくて
当たり前に嬉しい
これだけで本当にふしぎな気持ち
これだけで本当に救われた気持ち
いつかこの人生に終わりが来るとしても
僕はきっと当たり前にさよならを言い
君の言う当たり前に目を閉じるよ
悲しくてもね
嬉しくてもね
憎くてもね
涙を流す誰かがいることを忘れないで
今
空がオレンジ色に染まって隣に笑う君がいる
それだけなのに
当たり前なのにね
僕は本当に本当に悲しくて嬉しい
ずっとそんな想い抱えきっと生きていくのでしょう
もう一歩たりとも下がれない道を歩いていくのでしょう。