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[155666] 光と影

詩人:どるとる


飛び立つカラスの影
自分たちの巣へと寄り道もしないで帰る
いつまでも悩んでいたことの答など出なくても今さらもういいよと本気で思うのさ

さよならを言うことにもなれてきた頃
さめたような目で沈む夕日を眺めてる

遠ざかる後ろ姿に
声ひとつかけられず
ただ遠ざかるその影が消えるまで 僕はその場に立ち尽くしていた

太陽が去ったあとの世界は僕の心に焼け跡を残した

胸の中がまるで
燃えているようだ

孤独の闇にのまれないように
ひとりきりでもちゃんと笑って生きていけるように
僕は自分の力で明日を探していく

太陽の影が消えたその場所からまた旅立つ
夜が明けたなら 飛び立つよ カラスのように

光と影が交互におとずれる世界に今また夜がおとずれれば 夢さえ見ないことにはとてもいられないけど
やがて来る朝にすべての希望をたくして
僕らはまた明日への扉開けるのさ
そして目覚めたその瞬間で何もかも変わる
さなぎが蝶になるように心は生まれ変わり
昨日とは違う景色がこの瞳に映るだろう

夕日が今日も沈んで光が この街から
出て行けば
夜が街に働きかけるよ
こわいなら早く明かりをつけなさいと

逃げ場をなくして
たどり着いた夢に
安らぎを求めても
そこには楽園などなく
わがままな誰かのつくり上げたくだらない欲望まみれの世界があるだけなんだ。

2010/05/02 (Sun)
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