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詩人:高級スプーンあと何年
ただぼんやりと部屋の窓から眺めている
寄せては返す波のような不安に
あとどれだけ付き合っていけるか
落ち着いてはいるものの
それは逃れられないと諦めているからで
心に真の平穏は訪れない
明るく振る舞うのは得意じゃないけれど
誤魔化せるくらいには笑えるしな
ある日突然姿を消したって
残された人たちは気付かないだろう
砂浜に刻んだ足跡ごと
ぼくを丸ごと飲み込んだ不安の正体を
繰り返される苦悩の来訪を
受け入れてしまうあなたなら
当たり障りのない範囲で共感し
一日くらいは感傷的になってくれるだろうか