詩人:どるとる
ひとりぼっちだって平気だよ
さみしくなんてないんだ
生まれたときと変わらない純真無垢な気持ちにはもう戻れそうにないけど
優しさというものや
愛というものを
知っている僕にはもうそんな形式的な心は必要ないのかもしれない
ただ僕はいつまでも僕であればいいと思う
ここまで泳いで来たけれど
人影は見当たらない
誰ひとりとしていない
きっと僕はこのレースに遅れをとっている
でも人生は競争じゃないよね
いいさ 少しでも笑えることがあるなら
いいさ 少しでも人生を楽しめていれば
ひとりぼっちなんてたいしたことじゃない
そして 長い長いこの夜を泳ぎ疲れ
やがて朝という岸辺にもうすぐでたどり着くころ
悲しい記憶さえ涙にはこばれて 明日に行き着くだろう
夜明けの太陽光線が
街を射抜くように
照らし出せば
僕もカバンを背負いなおし また時間が来たら果てしない旅を続ける
砂嵐にまかれ
風にあおられ
悲しみに足止めされてもひとりぼっちのこと言い訳にはしないで進む
ほら、ひとりぼっちだってこんなに笑えるんだ
こんな自分
かっこよくいうなら
もっぱら 時の旅人。