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詩人:チェシャ猫
滑り零れ終わらぬ涙に
揺られて静かに咲いていた
すぐ傍にあることにさえ気付けないまま
吹かれて君は散っていった・・・
霞んでゆく景色の中で
微かな痛みが頬を撫でてゆく
まだ無垢なその瞳に包まれて
どうしても君を抱けなかった
濡れて留まらぬ幼きその手を
どうやって温めればよかったのか・・・・
傷つくことを恐れたこの心に
知らずに枷を突き刺した
震える指先が今更になって君を求め
届かぬと知りまた沈んでゆく・・・
いつか臆病な心も傷つくことを忘れたのなら
君がいた筈の僕を探しに行こう
繰り返す涙と時が二人を曇らせていたとしても・・・