詩人:どるとる
なんの関係もないけど
通りすがりのあなたとのつながりはすれ違ったその瞬間に生まれるんだ
まったくの他人とは見たこともなければ
すれ違ったこともない人をいうから
すれ違ったその時点で他人じゃない
僕らはすれ違いでも
他人とのつながりを持ちたくて 絶ちたくはなくて
様々なつながりの中で僕ら今日も他人からすれ違うことで
つながりを持つのさ
他人からちょっとした知り合いになるのさ
名前なんか知らなくてもすれ違ったその時点で僕らの心はつながった
すれ違うだけのつながりでもつながりには変わらないさ
そういう僕ら
すれ違うだけじゃ
悲しくて切なくて
もっと互いを知るために 手をつなぎ見つめ合い 同じ屋根の下で暮らす
特別なつながりを持ったふたりなのさ
すれ違いが生んだ
永遠の恋人
何度でもすれ違っては自分を悔い改めて また手をつなごうとする
そんな僕らは特別なつながりを持った恋人
赤い糸なんて大げさなものじゃ きっとないけど
きっときっとすれ違うだけでおしまいになる 通りすがりのつながりじゃなく
互いを知ろうとするある種の興味から生まれた好奇心いっぱいの恋人
今日もあなたを知りたくて よけいなこともするから喧嘩もする
だけれど それを知らなかったから 喧嘩をしていたから 新しくあなたのことを知ったなら それをゆるせる心も生まれて
僕はあなたをそのことではもう責めず
すれ違わない
そしていつか
すれ違わない
時が来ても変わらない日々と
二人して並ぶベンチ
隣には世界一大好きな人がいて
それが幸せと思えたなら喧嘩しないことも またおかしなことじゃないよね
手をつないでくれるのを待つ僕はもうその時はいない
僕から手をのばすんだ
隣の恋人
近いほど
遠くなる
隣の恋人
小指と親指
くっつけるみたいに
ほらぎこちなく出会ったけど
知り合えば皆恋人。