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詩人:阿修羅
幾重にも、
重ねられたカーテンの中で
私は息をしている
何人も、立ち入ることなど
出来ないほどに
深く、深く。
君の声すら、
届かぬ程の濃い黒に塗られて
光、を入れるな
もう、抱き締めてなんて云わない
その所為で貴方が犠牲になるのなら
光は棄て、
独り、息を潜めていよう
泣きたい時は、ちゃんと泣くさ
哀しみが止まらない時は
私を頼れば良い
必ず、抱き締めるから
でも、触れようとは思わないで
貴方が離れていく事になる
何故か、は解らない
傍に居てほしい、のは
やまやまなのだけれどね
貴方を失ってまで
一時の悦びを
手に入れようとは思わないさ
貴方は微笑って居て、
それだけが救い