詩人:是清。
はぐれ黒猫の嗚咽三界に響き
今生の後悔反省点を逐一挙げる
俯いてラバー加工の踵気にする菩薩に挨拶する
「汚らしい世間を見渡す六つの眼
出来るなら二つ三つは腐り落ちて欲しい
見通し良すぎて狂った頭
持て余してある日あの谷に捨ててこようと思う」
ヒトの声帯から発せられる雑音に
気を病んで今此の部屋でひとり
虫食いのレタスキャベツトマトを頬張り生に噛り付く
足元には賞味期限の過ぎた冷凍食品鯖と女
移ろい虚ろの性に固執する?
こちらとあちらの境界線上を今彷徨い薄汚い手を伸ばしている
偏った生き方が出来ないのはもうお決まり
「安寧とした毎日綺麗なだけのカレンダーには留まって居られぬ」
燦燦と降り注ぐ歴史重い日光
あの日気付いた私を形作るもの、其のつくり。