詩人:あかつき
風も吹かない暗やみに
ひときわ映える青の炎
夢中で冷めた街を走る
遠く霞んでいくゴール
きっと誰も待っていない
この先にはなんにもない
なんていう言い訳ならべ
ただ眠っていたいんだよ
虚ろな瞳をひらいて
震える手で扉をあけて
躊躇いとか戸惑いに
壊れそうになる心
ひとりきりそっと抱えて
ひとりきり一歩踏み出す
今はいい
それでもいい
ほら、海を渡る風が
僕の頬をなでるんだ
いつか諦めの滴が心まで
濡らしてしまわぬように
ほら、海を渡る風が
僕の背中を押すんだ
いつか道を見失って
知らず知らずのうち
後戻りしないように