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[98315] 海を渡る風

詩人:あかつき


風も吹かない暗やみに

ひときわ映える青の炎

夢中で冷めた街を走る

遠く霞んでいくゴール


きっと誰も待っていない

この先にはなんにもない

なんていう言い訳ならべ

ただ眠っていたいんだよ


虚ろな瞳をひらいて

震える手で扉をあけて

躊躇いとか戸惑いに

壊れそうになる心

ひとりきりそっと抱えて

ひとりきり一歩踏み出す

今はいい

それでもいい


ほら、海を渡る風が

僕の頬をなでるんだ

いつか諦めの滴が心まで

濡らしてしまわぬように


ほら、海を渡る風が

僕の背中を押すんだ

いつか道を見失って

知らず知らずのうち

後戻りしないように

2008/03/03 (Mon)
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