詩人:soul
痛みの雨の中
冷たい色彩の中
透明な温度差を感じながら
知らぬ間に
夏に咲いた花は死んだ
あの時何て言ったっけ
聞こえなかったんだ
何か薄い膜に仕切られたみたいに
手を伸ばしても届かなかった
触れられなかった
その眼は何を見ていたの
僕には分からなかったんだ
まるで別の世界に居るようで
眼を凝らしても届かなかった
触れようとさえしなかった
全て夢のように
消えてしまいそうな気がして
痛みの雨の中
冷たい色彩の中
確実な距離を保ちながら
僕ら
灰になって
灰になって
舞い上がって
風に乗って
舞い散った
それを見て
痛みの雨の中
冷たい色彩の中
透明な温度差を感じながら
夏に咲いたあの花は死んだ
あの花は死んだんだ