詩人:甘味亭 真朱麻呂
なにもない夜
誰もいない静かな空
尽きない疑問を問いかける僕はそっと心の眼をゆっくり閉じる
不安定になる
バランスを崩しそうになる
そのまま何処までも落ちてゆくのも一つの生き方ではある
わけもなく涙
両頬をつたう悲しみ
解けない疑問の答は遠すぎて遠すぎてふれることさえ不可能だ
今、
僕に微笑みかけるのは悪魔か天使か
見分ける術さえない僕は途方に暮れ
宛もなく暗い闇をさまよい続ける
納得のいく答に行き着くまで
何度でも何度でも
数え切れない迷いと不安の中で
戦う術さえ心得ていない僕は仕方なくその戦いを放棄する
なにもない夜
誰もいない静かな空尽きない疑問を問いかける僕はそっと心の眼をゆっくり閉じる
もうそれ以上言えることはないさ
もうこれ以上の悲しみはないのさ
ここにある現実と頭の中で想像してる何か
目覚める度気づいてまた僕は心の眼をゆっくりゆっくり閉じるんだ
もうこれ以上言わなくても大丈夫なように
もうこれ以上悲しくならないように
僕はそっと静かに心の眼を閉じるんだ
その先にある"何か"に語りかけるように
僕はそっと静かに炎にまかれ空へ逝く
広々としたあの青く澄んだ空へ逝く。