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詩人:どるとる
同じ世界の出来事さ
信じられないかもしれないけど今日もどこかでは
笑ってる人がいて
そのすぐ隣には
泣いてる人がいる
自分に関係ないことは
よっぽど親しくないかぎり干渉はしないで
赤の他人なら誰かの悲しみ 無視するわけじゃないけど
自分に起こる喜びに笑うのでしょう
それを罪っていうわけじゃないけど
なんだか滑稽な光景
まるで喜劇と悲劇の映画が画面の中でふたつに分かれ同時上映されてるみたいな
そんなイメージが浮かぶ世界
涙と笑顔が混ざり合って ある人の心には雨が降り またある人の心には太陽が輝く
そんなイメージ越しに見る世界
笑い声と泣き声が同時に響く
僕は笑う
君は泣く
明日は僕が泣く番かな
そして明日は君が笑う番かな
なんてこと
考えながら
名前さえ知らない君の涙の近くで僕は笑ってるんだね
それでもなぜか平気なんだね
喜劇の幕が上がれば
悲劇の幕が上がる
別々にはならないよ
この世界はいつでも悲しいことも嬉しいことも同時に起きるのさ
だから 笑顔する人がいれば涙する人もいるのさ
仕方ない
大切なのは他人の悲しみをあざ笑わず自分の喜びにだけ素直に嬉しがること
それがせめてもの
悲しむ誰かへの
礼儀だと思う
そして今日も
何気ない一瞬に
涙と笑顔が同時に咲くよ
喜劇と悲劇の幕が同時に上がるよ
幕開けを待つ君の明日は涙かな笑顔かな
今にわかるよ
今にわかるよ
幕が上がれば
また誰かが泣いて
誰かが笑う
そんな光景がなんの不思議もなくいたるところで起きるよ。