詩人:壬治
ほんのささいな復讐だった
でも出来心というには刺がありすぎた
ぶっ壊してやりたい
ただそれだけの
シンプルな好奇心が
宇宙みたいに広がった
結末はまさに小説より奇なり
おそらくあれは予知夢のたぐい
永遠を手に入れて
かわりに一瞬を失う
つまり世界と恋に落ちること
口にしてはじめて
わかった言葉の魔力
魅せられたようにそこから
とめどない思考の迷路に落ちる
すべてが帰結する
呪縛を絡めてく
どうしようもないほどに
今でも新鮮な痛みに
傷ついているよ
そして二人はあの
ラストシーンをくりかえす
背景にはいつも雨が降っている