詩人:どるとる
人の波から逃げるように路地裏に身をひそめた夕暮れ
なんとなく口ずさむリズムだけの鼻歌が僕の心を唯一あたためてくれる
そばにあるものは役に立ちそうにない
誰もが持ってるちっぽけな幸せとあっても意味もない不安ぐらいさ
立ちつくす 僕の影が少し不安そうに 揺れた刻(とき) ブロック塀にうつりこんだ影がその場をはなれたら
きっと僕は素敵な景色を探しに旅に出たあとさ
気づけばいつも夕陽が沈んだあとで
間に合わず
眠っているあいだにすべては終わっているのさ
暗がりのその中で何かを探すように
なくした自分の心を取り戻すように
遠い思いが恋しくなったら その思いは恋しさが導いてゆくように 僕の心に帰ってくるよ
歩き出す 僕がいれば僕の影もまた歩き出して 明日という誰もがたどり着く 場所へ僕は胸張り行くのさ
旅はまだ続いていく
夕陽をバックに 風に吹かれている 僕の心にはもうさっきまでの不安は無いのさ
そばにいる人や
そばにある思いに
感謝できる心
感謝しようとする心
育むためにある心
様々な思いには心がなければ何ひとつ生まれないから
立ちつくす 僕の影が少し不安そうに 揺れた刻(とき) ブロック塀にうつりこんだ影がその場をはなれたら
きっと僕は素敵な景色を探しに旅に出たあとさ
手を振る夕陽に
さよならを告げたなら
夜まで 本でも読むかな
人の波から逃げるように路地裏に身をひそめた
孤独を生み出したのは僕だけど 今はもうそんなさみしさなど笑い飛ばせるんだ
さあ 歩き出そう
歩き出す 僕がいれば僕の影もまた歩き出して 明日という誰もがたどり着く 場所へ僕は行くのさ
旅はまだ続いていく
夕陽をバックに 風に吹かれている 僕の心にはもうさっきまでの不安は無い
涙は止まったよ
僕の影は しっかりと着実に明日に向かってゆっくり右足から歩き出す。