詩人:黒い犬
ある晴れた月の見える日
遠くの故郷を想い出しました
だけど脳裏に浮かぶのは
想い出したくない記憶ばかり
気が遠く遠く
僕を見る素顔を失くした君と
気狂わせた彼が描いた猫の目が
僕を責め続け
だんだん空が小さくなる
それを気付かないふりする先生
空に浮かぶ半分の月が
皮肉に嗤う
誰も気付かない 誰も見ようとしない
僕を見る素顔を失くした君と
崩れてゆく仮面の猫が
僕を見つめ続け
もう誰も気付かなくて良い
歪み嗤う半面の月が
だんだん遠くなる故郷を
だんだん小さくなる空を
想い出させた
2008/02/05 (Tue)