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詩人:ハト
昭和橋の
錆びて赤茶けた手摺
その高さは
私の膝よりも下しかなく
通る度に
下を覗きこんでは
この景色を愛しく思い
そんな自分に
少し酔う
年々広くなる川原と
狭くなるにつれて
深くなってゆく天の川
知らぬ間に形がかわり
泣きたい衝動にかられても
この場所が
美しいところであるには
変わりなく
橋に腰掛け
膝よりも下しかない手摺に
腕をのせ顎をのせ
足が宙に浮いている
その感覚を楽しむ
渡って行く人々に
それなりに挨拶を交し
振り返っては
影が傾くのを確かめる
山並みの輝く輪郭に
闇に紛れていこうとする
紫陽花の色合いに
少ないながらも
道を照らす外灯に
私を包むその音楽に
この世界の
美しい部分を感じる
感じられる幸福
泣きたい衝動にかられる