詩人:ライカ
キミがいつも噛んでた
あのアオムラサキ色の
粒ガム
僕には
どうしてもあれが
特別な元気の素が
これでもかと入った
「スペシャルな薬」に
見えたんだ
キミは誰より速く走ったし
誰より 大声で笑った
ブランコ 漕ぎながら飛び降りて
バランス崩して頭から落ちた時も
大人に担がれ
血をたらしながら
「失敗しちゃった」と笑ってた
涙目なのに アオムラサキのガムねじこんで
あの時 ブランコが足にひっかかりさえしなきゃ
きっと飛んでいったんだ
透けた空
青く
高く
キミに久しぶりに
会った
「元気ー?今?プーしてるよー。仕事続かなくてさぁ。なんか、そっちは大人!ってかんじだよね。」
違和感の無くなってきた
溜め息色のスーツ姿
少しだけ 恥ずかしかった
やっぱりキミは
笑ってたね
コンビニに
寄って帰ろ
あのガム買って
元気補給