詩人:剛田奇作
子供がしゃがんでブロック塀の穴をじっと見ていた 何が見えるの?聞いてみた …… 私も覗いてみた ただ湿った暗がりに…何にもない ……まだ見てる黒い二つの瞳をキラキラと一点に集中させてアインシュタインが相対性理論を完成させた瞬間こんな表情をしていたのかもしれない 子供はじっと すみっこを見ている私は 生まれてから一度でも なにかにこれほどの純粋な情熱を抱いたことがあっただろうか子供は じっと すみっこを見ている