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詩人:たかし ふゆ
つながることのないジグソーパズルのピースを
夜通し、探していたんだ
見つかるわけもないのに
街路樹の枝が伸びていて
葉に付いた、昨日の雨の残り香が優しさを醸す、その根本で
シャンソン人形が歌っていたんだ
孤独と空っぽの言葉を、静かな喧騒の中で
生まれ来る者にも
死せる者にも
どれほど祝福に満ち
どれほど悪意に溢れていても
やがて、ツンとした空気と光に照らされていく
深夜のファミレス
人となり
たった一人で朝を待つ老女
夜の限り、誰かと孤独を分かち合う女子高生の群れ
心の凹んだ部分とか
隙間とか
いっさいがっさいを埋め合わせる事が奇跡のような、時代の中で
それでも、僕らは誰かをスポイルする
優しさも残酷さも、全て含んだ
ただの、朝、という希望