詩人:aria
月夜に響く足音に
誰もが恐怖を楽しんで
何故だろう
その日だけは
寂しそうに
聞こえたから
不器用だねぇ
なんて
間の抜けた
声かけて
物好きの醍醐味を
台無しにしてやったんだ
せめて
これくらい
要領良く生きてみろ
説教なんだか
馬鹿にしてんのか
とにかく本心は
泣いていたのさ
中途半端な
形の月が
やけに綺麗で
やけに輝いて
とにかく本心は
泣いていたのさ
その足音は
迷いがなくて
そのくせ
寂しそうだから
愛しくて
愛しくて
堪らなかったのさ
月夜に響く足音に
誰もが恐怖を楽しんで
二人で
駆け出してみたのさ
恐がらせてやろうと
笑いながら
泣いたのさ
月夜に響く足音は
はみ出し者の泣き声さ
どこまでも
迷いなく走ろう
いつまでも
泣きながら笑おう
生憎
もう一人じゃ
ないのだから