詩人:リコ
冷たい風に刺された
皮膚はぶるぶると
冬だと解き
今にも千切れそうに
精一杯
木に張り付く
枯れ葉に嘆き
緑葉を忍ぶ
一瞬の心の癖は
溜め息に変わる
地べたに倒れた
枯れ葉
見逃さずに
その一枚を
クシャリと音立て
踏みつぶす
それは
一枚なのに
一枚なのに
枯れ葉を生んだ
木は泣くのだろう
その一枚で
何故枯れ木と?
あの一枚で
何故緑木と?
枯れ葉を生んだのは
私です
緑葉を生んだのも
また私です
私はここに
ここにいるのに
触れたなら
ボロボロ崩れる
茶色い私
光り輝き
つるつると
なだらかな手触り
緑の私
その一枚は
全体では無い
私は全てを
生む側で
踏みつぶされた
ボロリと悲哀
くるくる指で回された
緑の一枚
生の象徴
あなたは全てを
愛してくださらないのですか
あなたは
木である
私を見てくださらないのですか
私は枯れ葉でも無く
私は緑葉でも無く
私は全てを
生み出す側の
一本の木なのです