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詩人:どるとる
季節はいつでも
その後ろ姿だけ
見せたまま
理想にあるような
顔はあまり見せないんだよ
手にした未来は
何もかもが納得できるものではないけど
僕にはこのくらいがちょうどいいって思ったらなぜだか
すべてを受け止められたんだ
わずか数十年のあと
人は誰もが死んでいくけど
その前にできることが何かひとつでもあるならばしておきたいんだ
不器用なこの手が描く日々はまるで幼い子供が戯れに描く落書きみたいだ
僕が一生懸命やってきたことを誰かに笑い話にされても僕にはそれが本気だから
季節はまた僕の
想像を覆して
なんの面白味もない変わり映えしない景色をうつすよ
いつか 運命の歯車が動き出して
僕におしまいの時を知らせにきてもね
我、散りゆくとしても
笑いながら
微笑みながら
散っていきたいんだよ
そのために
そのために
今は積み重ねる
夢もやりたいこともなにもないけど
時々笑って
時々には泣く
そんな当たり前な日々を繰り返すだけの毎日を生きることが僕が僕にできる精一杯だとしたらやめてはいけないんだよ
そう思ったら なぜだか心が軽くなった
切なくにじむ
夕暮れ間近の空
7月生まれで暑がりの天の邪鬼
ビルの屋上から見上げる世界
何も悲しくないよと嘘をついて
まばたきのシャッターで切り取られたような 一枚の景色を胸にとどめたよ
きれいなこの景色忘れないように
明日にはこんでゆく
風に吹かれて
決めつけられた
地図を破り捨てて
道なき道を行く
僕になろう
宛はなくても
度胸は無駄にあるから
進め 信じる方角へ
心に備え付けのコンパスが指し示す
空の彼方 はるか彼方
人生はいつでも
決まり事のないゲーム
変わり映えしない毎日ならそこに色をつけるのが僕らの仕事だ
我、散りゆくとしても
やがて訪れるだろうおしまいの時を待たず待つ。