詩人:甘味亭 真朱麻呂
古い町に迷い込んだ
模型みたいな現実味のない夢
醒めてしまった
その途端
夢は夢じゃなくなる
単なる現実でしかない
だから きっと
昨日見た夢もどんな夢だったか
忘れちまうんだろう
跡形もなく消えてくんだろう
ちっちゃかった頃見てた夢みたいに馬鹿馬鹿しくなるんだろう
ギリギリと合間合間に入る
耳障りなノイズ
アナログで刻む
懐かしいあの歌
何故か知ってるあの歌
記憶微か残るモノクロの残像
幾つかのシーン
思い出は古くなって埃を被った
もう使えない蓄音機と映写機
それでも趣深い大切な宝物
光らなくたって
動かなくなったって
私の大事な宝物。