詩人:どるとる
黙ったまま さっきから何も言葉が出てこない
真実はいつでも人に厳しいから それを知ったときに心に雨が降るときもある
いくつもの記憶の中に
埋もれていく記憶
だんだん忘れてゆく記憶
そしてまた薄れてく 記憶
模範となる答など何ひとつない
僕はここにいるからここにいるだけだ
生まれた意味も生きていく理由もない
だから どんな生き方でも間違いはない
正解もない
答は ひとつじゃなく
全てが答なんだよ
肯定も否定もできない
それがこの世の仕組み
見えない目を必死に凝らして
何を見ようとしているのか
明日の天気も誰かの尖った言葉も 全てが僕に意味のあるものならば僕は悲しみに涙することさえも意味のあることなのかな
行き場のない思いを
やり場のない悲しみを
ただ心の中で ためこんで
いつか破裂してしまう不安を 抱いたまま
今夜も正解なんかあるはずもない 答を探してる
僕の中に
無意味な答など何ひとつしてない
僕は生きているから生きているだけだ
働く意味も歩いてく理由もない
だけど どんな人間でも生きることだけは自由さ
答は 例外なく
存在する全てが答だ
肯定も否定もできない
それがこの世のお姿
影は揺れ
光がまたたき
人は様々な
思い抱え
時に
死にたくもなる
それでも
ただひとつの
揺るぎない答を
心に決めて
生きていくのさ
その時決めたその答がただひとつの答だ
疑う余地がないなら
さあ 迷わず抱きしめて 歩いてゆこう
行き先は風が吹くほう
宛のない旅は危うくもつづく。