詩人:どるとる
開かないはずの手のひらを開いてみれば
いくつもの思い出が心の中にあふれてる
広く果てしない宇宙をさまよう石のように
僕は今までひとりぼっちで 暗闇を歩いてきたんだ
きれいごとは嫌いだから 思い出をあざ笑うような愛想笑いやお世辞は 抜きで
本当にきれいな思い出だけ 捨てず抱きしめます
ひとりの淋しさを
ごまかすように
おしゃべりすぎるこの僕をどうか
黙らせて 黙らせて
夕暮れの空はオレンジ色で
まるでこんがり焼けたパンみたいで
カフェオレみたいな色をした雲が浮いてる
ああ そんな思い出を笑うことは僕にはできないから
あたりまえな幸せさえも偽らず 本当に幸せだったと思いたい
誰かに伝えるような
言葉じゃないけれど
敢えて口に出す真夜中
その全ては手のひらほどの小さな思い出
だけれどそれにしては眩しすぎる思い出
手のひらの中でひそやかに輝く芳醇なる時の調べ
トゥルリララ
今も心の中に聞こえている
手のひらダイアリー
積み重なっては
やがて
崩れるダイアリー
かぎりなく大切な思い出よ
僕は忘れない
ここにいたこと
ここで笑ったこと
いつか さよなら言う日が来ても
僕は笑えるから
きっと笑えるから
ただ信じよう
こぼれんばかりの
言葉を繋いで
途切れさせないで
明日も詩を書くよ
僕の心に思い出を刻むよ
目にうつるものの
全てが思い出じゃない
耳にきこえたものの
全てが心地よくはない
だから 思い出は思い出と呼ぶのさ
それはすなわち
心を洗うような
折れ曲がってはいても素敵な素敵な思い出をいうのさ
その全ては手のひらほどの小さな思い出
だけれどそれにしては眩しすぎる思い出
手のひらの中でひそやかに輝く芳醇なる時の調べ
トゥルリララ
今も心の中に聞こえている
手のひらダイアリー
美しくあれ。