詩人:是清。
残忍な鷹、魅せられた頤
咥えられて、噛み砕かれた骨と理性、自制
知らない儘で
其の儘で
良い。
下手に正体を明かしてしまったら半径三メートル恐がって誰も近づきやしない大嘘を吐いて地面に這い蹲って其れでも人恋しいから懇願するねえ傍に居てよ居てよ居ろよお前の存在だけ
重い思い
喰らい暗い
死んでしまった細胞の全て。
街歩く大嘘吐き道を行く嘘吐き
揺ぎ無い足場なんて無い只一歩を踏み出したいが為に縋るのさ祈るのさ汚い嘘土色の昨日ごめんねやさしいひとじゃなくてごめんね酷いことを口にしたごめんね赦せないなら捨てる?いや、引き摺っても
ごめんねやさしいひとじゃなくてごめんね酷いことを口にしたごめんね手放せない、
手放せない。
お前の存在、存在、存在、俺の在処
其れだけが確証のある陽炎でないこと
存在、存在、存在
阿呆みたいに繰り返して果てるのさ
揺らめく、魅せられた季節の鷹、
薄く透けた羽に、息を止める為のナイフ抱いて飛んでくれ。
落ちる蜻蛉!