詩人:どるとる
なんとなくで乗りきった1日が
なんとなくで暮れて そして 夜になりました
帰り道ひとり背中に孤独を抱えて
もうかれこれ二十年になりますか
時が経つのは早いものですね
もうこんな歳になるのになんだか みんなとは違うようさ
どこかが
それでも いつか僕が追いかけていた光
それは見えず触れられない光だけど
今でも信じてる
孤独をうたう夜も
アパートの階段をコツコツと一段ずつゆっくりのぼれば
一番奥の部屋が僕の部屋さ
ちょうど柵の向こう側 はるか上空には大きな満月ひとつ
ぽっかり浮かんでた
どうにもなんだか
言葉にならないけど
今とても切ないんだよ
揺れる月影と僕の消えそうな影
アパートにて思う
言葉にならないけど
確かな切なさ抱えたまま
ドアを静かに閉めるように目を閉じた夜
歩いてきた道の距離ほどでもない荷物の少なさになんだかもどかしいけど
泣かないよ
なんとなくついてるテレビ
それと似た僕の人生
この先どうなるかな
他人の言葉や意見はいらないよ
ただ僕は思う
アパートにて
ただ死するため生きるように道の途中でふと足を止めて。