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詩人:どるとる
涙には値段がない
涙には価値がない
涙には名前がない
涙には色がない
涙には味もない
だからこそ僕らで
名前や色や味を
決めるのだろう
涙流れたその一瞬で
どんな涙なのかを
知るよりも
涙流れるその前から
どんな涙なのかを
解ってる僕らは
幸せなのかな
不幸せなのかな
ただ涙は流れる
価値も値段もないまま
道端に落ちてるわけでもなく
交番に届けられるわけもなく
それを見たからといって何をできるとかそういうわけでもなく
ただ励ます言葉や慰める言葉だけ 伝えてみるだけで
涙は止まらなかったり
止まったりするだけさ
世界中のどんな人が流す涙のその全てが
同じ価値で同じ値段で同じ色で同じ味ならば 嘘の涙さえも同じなのかななんて考えたら 違うだろうって思ったよ
君の涙も通りすがりの誰かの涙も僕自身の涙も
うれし涙だとしても
悲しい涙だとしても
理由はともあれ全てが同じ価値と同じ値段を持つ涙なら
嘘の涙をはぶいて
とても重いものだと思ったよ
今日も一日のどっかでほんの一瞬に流れる涙が心を湿らせたら
悲しくて 嬉しくて
複雑な気持ちになるから
僕は名前のない涙に勝手に名前をつけてその名前を呼んでみる
「優しさのかけら」よ
今日から涙は生まれ変わった。