詩人:どるとる
行き交う人の流れを
眺めてる僕と眺められてる人の視界に降る雨の違いに嘘はない
見る人によればそれは冷たくもあって優しくもあるのさ
ふつうの幸せ 求めただけなのに
届いたのは 宛名すらない未来
たどり着いた 岸辺で昔を振り返り 思い出し笑いする僕を行きずりで出会った君が遠い目で眺めてる
そんな構図が成り立ってる
「さよなら」とつぶやくだけで物語は一気に序盤へと移る
さよならの向こう側に見えるいくつものストーリーのその全てを投げ出したときから僕の未来は決まっていた
ナマケモノの末路
それは路地裏への追放
思いはひとつもつつがなく流されてく
手を振る僕と
手を振り返す君
アングルはいちいち二人の細かな動きをとらえ涙までも鮮明にうつす
記憶の砂嵐(モザイク)が落ち着きを取り戻したら
川をわたって君に会いに行こう
さよならの向こう側にあるはずの続きのストーリー
描き途中の人生をふたたび描いてゆこう
今日のために
明日のために
自分の脚で立ち上がらなくちゃ何も見えないから…