詩人:快感じゃがー
あなたは
わたしを
夢想家と呼ぶから
そのたびに
ポピーの花が
萎れそうになるの
きみのすべてを
知っている
と言いながら
なんにも
なんにも
知らないあなた
ねえ
強いんじゃないわ
弱さを見ないだけ
平気なわけないわ
そうしなきゃ
居られないだけ
何にもせずには
いられなくって
だから
こんなに迷って
悩んでいるのに
あなたは
わたしを
はずれと決めつける
そうすれば
失望は避けられるから?
あなたは
わたしを
同士にしたがる
傷を舐め合うだけの
恋人が欲しいの?
ああ
「あなたの見てきた常識」
なんて
わたしは
死ぬほど大嫌い
ポピーが
つぼみをつけるたび
また
失う季節に
怯えてしまう
ああ
「あなたの知っている世界」
なんて
わたしは
死ぬほど
死ぬほど嫌いよ
きみのすべてを
知っている
と言いながら
なんにも
なんにも
知らないあなた
受け身の人間は
強いんじゃない
強くならざるを得ないだけ