詩人:甘味亭 真朱麻呂
君とはじめて逢った時のこと憶えてる
あれは確か4月の終わりの今頃だった
淡い恋だったから今も瞼の裏焼き付いてはなれない
遠くで手を振り僕を呼ぶ君の声
今でも胸の中であたためてるよ
失くしたものはもうかえらないとわかっていても
頭では理解してても心が認めようとしない
だから今でも君が帰ってくるんじゃないかと
時々思ったりする
時として思い出は人を傷つけるものなんだと
その時皮肉にも教えられた気がする
夏から秋へと変わってく中で
だんだんと薄れてく僕の中の君のあの笑顔
そのたび
熱くなるこの胸
ずっと
それは続くのか
僕の心の色はいつの間にかネイビーブルー
あの日も今日と同じく雨が降っていた
'さよなら'の言葉だけが無意味に繰り返される
あの夜雨の中しばらく立ち尽くしてた
後にはただ昔と同じ静かすぎる静寂が僕の
帰りを待っていただけ
僕の心の色は淡くせつないネイビーブルー
思い出す度悲しくて雨音も悲しくて
ただ染まっていく青く青くその色は
美しく透き通った涙のような冷たい色
ネイビーブルー。