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詩人:理恵
夜空に浮かんだ無数の星を全部
掴むことができたら
こんなに不安じゃなくなるのかな
何もわからない世界に産み落とされて
何も知らない他人と
競ったり 笑ったり いがみ合ったり
何のために生まれたの
問いかけた空は答えたりしないし
何のために生きてるの
誰に聞いたって
自分で見つけろって言うんだ
花は散りゆく時が一番美しい
なんてずいぶん勝手なことを言うんだね
滑稽だ
あたしもあなたも誰にも決められない
価値に出会って惑って
泣いたり 拒んだり 認め合ったり
何のために生まれたの
踏み出した覚えはない道に立って
何のために生きてるの
見つけられないなら
死んだって同じに思うんだ
自ら終わらせる悲惨さに
他人は嘆き悲しむけれど
もっとちゃんと見てよ
深い深いその奥を
痛い 痛い 見つめるほど
何のために生まれたの
叫んでも自分の声が返るだけだし
何のために生きてくの
もうやめちゃおうか
疲れてきたの
いくら問うても 無意味なんだ
どこにも無いって 今さら気づいた
それでもたった 一瞬だけ
感じられたなら
なんて願ったりするんだ
2021.2.16.