詩人:どるとる
人の言葉なんかじゃ動かない 硬い石のような意思をもって生きていたい
未来に期待なんかしていなかったし
期待するほど頑張ってもいなかったから
生きていられればとりあえずいいと思っていたんだ
夜はいつも僕をひとりぼっちにさせるけど
僕は夜がいちばん楽しい
心に浮かんだイメージを 灰皿に押しつけた短くなったタバコのようにもみ消して
誰かの引いた線どおりに 歩くなんて僕にはどうやら昔から似合わないらしい
さあ 旅立ちの朝まで夢のゆりかごに揺られて
ひとりぼっちだけで夢の最果てへ旅立つのさ
宇宙みたいな閉鎖された 空間にひとり
僕はかすかな呼吸とかすかな心音 刻みながら 立ちつくす
さあ 朝はまだ来ぬ
夜はまだ長い
だから 僕は夢のゆりかごに乗って 眠るよ
いやなこと 悲しかったことぜんぶ 忘れられないならば せめてつかの間の安らぎに身をあずけたい
そう思うのはあたりまえだろう
だってこの世界は生きてるだけで十分悲しすぎるから
でもこぼれる涙さえ
抱きしめてしまう
この不思議さに惑う。