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[156962] 夏物語

詩人:どるとる


せり出した誰かの傲慢で 僕の意見は風に消えてゆくよ
枯れ枝から落ちる枯れ葉のように 地面に静かに舞い落ちる

黄昏 孤独 孤高の私
せみしぐれ 遠く きこえる 祭りのお囃子
どれもがどれも美しさからはかけ離れた
夏の景色だ
それでもなぜか心には影ばかりじゃなく光もまたたく

希望はないはずなのに
期待はされないはずなのに
なんだか不思議な高揚感がわきたつ

せみしぐれがだんだん近づいて
やがてそれが夏の足音みたいに僕の真ん前で 立ち止まれば
夏のはじまり

溶け合って混ざり合ってやがてひとつの物語になるから

どんなにあたりまえな日も忘れないで
すぐそこにある輝きを。

2010/06/12 (Sat)
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