詩人:どるとる
せり出した誰かの傲慢で 僕の意見は風に消えてゆくよ
枯れ枝から落ちる枯れ葉のように 地面に静かに舞い落ちる
黄昏 孤独 孤高の私
せみしぐれ 遠く きこえる 祭りのお囃子
どれもがどれも美しさからはかけ離れた
夏の景色だ
それでもなぜか心には影ばかりじゃなく光もまたたく
希望はないはずなのに
期待はされないはずなのに
なんだか不思議な高揚感がわきたつ
せみしぐれがだんだん近づいて
やがてそれが夏の足音みたいに僕の真ん前で 立ち止まれば
夏のはじまり
溶け合って混ざり合ってやがてひとつの物語になるから
どんなにあたりまえな日も忘れないで
すぐそこにある輝きを。