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[156995] 明日、死んでも

詩人:どるとる


僕が明日もし死んでも
誰もそのことに気づかないだろう
街はいつもと変わらない風景そのままに
風も空も海さえも
何も変わらない世界がそこにあるだろう

結局僕が死んでも
生まれなかったとしても変わらない
何も変わらない

僕がここにいる意味なんて何もない

きれい事に埋め尽くされた世界に僕は立ち尽くしてる
風が時々この僕を黄昏に包む

死んでもいい人なんてきっとどこにもいないけど
生きてたっていいことなんてありそうにないのはたしかだ

だから無理はせずほどほどに口笛吹いて
叱られたその時はすみませんと謝ればいい

公園のブランコが
風が吹くたびに
さびしく 揺れている
ただそんな景色をずっと眺めていたら
カンタンに答が出たよ
そうさ 僕らが生まれた運命だなんてあのブランコが風に揺れて少し 動いただけのくだらない出来事

地球が回るように
いつか 止まるように
僕らもいつか 死んでゆくのさ
たしかなことはいつでも悲しみを引き連れて歩くもの

明日死んでも
死ななくても
変わらない運命の手のひらの上で
下手なくせに踊るワルツは続いてゆくんだよ

結局僕がいる今も
必死になって積み重ねる毎日もいつか死んだら全て消えてゆく

そしたら悲しみだけが残るんじゃないかな

きれい事と片付けてしまったあの日のキミの言葉も今じゃなぜか恋しくて

無理に生きることの素晴らしさだけ語ることはないさ
死を語ることも時には大切なことだ

いつも無理はせずほどほどに口笛吹いて
叱られたその時はすみませんと謝ればいい

たとえ明日死んでも
本望だと思える
光ひとつ あれば
天国へも行けるよ

だって僕はもう死にたいなんて思わないから。

2010/06/13 (Sun)
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