詩人:どるとる
遠く離れたあの人に今すぐ会いたいけど
僕の毎日はとても忙しすぎて会えない
忙しさを理由にして君をさびしがらせてるのは僕なんだ
でも君のことだけだよ
こんなふうに思えるのは
「放っておいたら
べつの誰かのものになっちゃうぞ」
君はジョーダン混じりに携帯の向こうでちょっぴりさびしそうにこぼす
瞬間、最後会ったときに交わしたキスの味がよみがえるよ
きっと百万回の出会いを果たしても
心の距離は埋まらない 離れるばかりだ
少しずつ 確かに欠けてゆくもの
それと 静かに満ちてゆくもの
温かい明かりに群がる虫みたいに
心の空白埋めるだけの恋じゃない
だから 言葉にできない夜は何も言わないで黙ったまま 朝が来るまで 夢の列車にガタゴト揺られていよう
ちょっとだけは君の笑った顔 イメージしながら 時々 にやけるくらい
夜空を駆ける星は旅人
何億万年もの 記憶を星は知っている
言葉にできない夜はめずらしくもなくなった
君の声がなんだかむしょうに聞きたくなる
どうしょうもないくらい
愚かな僕だけれど
世界でいちばんそのどうしょうもなさを知っている君に会いたい
今すぐ君に会いたい
あふれる思いは
どんな距離も
かるく越えていくのに 僕らはあまりに離れすぎている
遠距離という魔法にかかった僕らは見えない壁の向こう側で互いを 互いに 思い合う
またいつか 会える日を願って
積み重ねる日々の向こう側に 希望を抱いてる
あふれ出しそうな切なさを 必死に押し殺して。