詩人:どるとる
目の前を行き過ぎる
時のかけら
時たま 心に突き刺さる
微弱な痛みをはらみながら それは残る
近場の花火を見に行こう
なんとなくつぶやいた声が 誰もいない部屋に恥ずかしいくらいひびいた夏の夜
結局花火なんか見に行かずにずっといつまでも テレビと夜中までにらめっこ
よくある話
でも切ない話
庭の隅で バケツに水ためて ひとり花火大会
線香花火が夏の終わりを早くも告げるように落ちていった
ひゅるり
時は金なり
そんなことさえ
忘れてしまいそうな
狂った暑さに参る日々
粘ついた風に吹かれて。