詩人:浅羽
絵画教室で描いた肖像
輪郭だけの淡い陰影
鏡越しで見えた表情
触れれば壊れそうな君の声
暮れゆく陽の光
センチメンタル
指先なぞって
諦めるのさ
壊れてしまったのは
僕の心が
足りないままで居ると
言っていたから
小さな世界の中
君の言葉は
誰にも届かずにねぇ
消えてしまった
消えてしまった
真空管に映る幻想
夢見ただけの理想の自分
いつしかソレは見えなくなって
硝子となって砕け散るんだ
汚れたままの靴
歩き出したら
何処にも行けずに
立ち止まるのさ
壊れてしまったのは
僕の心が
足りないままで居ると
言っていたから
小さな世界の中
君の言葉は
誰にも届かずにねぇ
消えてしまった
白いキャンバスの中
描いてたのは
何も無い自分の
未来予想図
この街この場所でそう
君と出会って
ちっぽけな世界は
広がっていった
壊れてしまったのは
僕の心が
足りないままで居ると
言っていたから
小さな世界の中
君の言葉は
誰にも届かずにねぇ
消えてしまった
消えてしまった
消えてしまった
でも此処に在るよ