詩人:たかし ふゆ
‐霧の中に、それこそてめえのその先ってもんが紛れ込んでる。
そいつが、常に俺を付け狙ってやがる。
つまり、人はたいがい、自分ってやつに殺されるのさ。
‐どうかね。生きるも死ぬのもてめえ次第なのは理解できるが、なら俺たちは何でユーカラと戦ってんだ?
‐それはだな……
‐見ろ、そういうこった。結局のところ、鞘に収まりゃ、あとはどうだっていいのさ。
個人主義の裏側で、中身のねえ大儀を振りかざしてるだけ。
人間とユーカラ、本当に物騒なのは、一体どっちなのかね。
‐舞台『修羅雪城のふたり』
台詞より