詩人:roki
空は雲がかかって見えない
夏の白い物体は大きく膨らむ
きっとあの白い雲の上には
天使の世界があるのだろう
鳥のように自由に
羽ばたく羽根が美しい
黎明をもたらす天使は
光輝いて生まれる
スラリと細身の身体
ビーナスも驚くだろう
綺麗な瞳をした
天使が空を飛ぶ
その雲の世界は
きっと人間に姿見せない
けれど天使達は
下界へ降りてくる
堕天使が舞い降りた
この人間界に
けれども狡猾な人間が
天使を売り物にする
堕天使は捕らえられ
人間達に見られる
奇異の目は痛く
生と死が踊り狂う
僕には悲しそうに見えた
助けて欲しいのかい?
そうかい だったら僕が
きっと助けてみせる
憎いのは明らかに人間
悪の親玉見つけ出し
半強制の殴り込み
約束を守るんだ
天使の翼はひどく傷つき
羽ばたくことも出来ない
ねぇキミは雲の上へ
帰る術はあるのかい?
返すこともできず
途方に暮れた僕に
天使はそっと微笑み
大丈夫と口づける
堕天使が舞い降りた
この人間界に
帰る術は光の梯子
ゆっくり昇ってく
きっとあれは夢だった
静かな夢に違いない
それでもあの唇の感触
あれは確かにあったんだ
堕天使が舞い降りた
この人間界に
僕は英雄テセウスになり
悪を退治した
堕天使が舞い降りた
この僕の元へ
けれども天使の声は
聞こえなかった